個人情報の壁①

ある図書館で史料の閲覧を拒否されてしまいました。

ある藩の文化年間(1804年~1817年)の分限帳なのですが、個人情報に該当するので、その分限帳に記載されている人物の直系の子孫であることを証明できる資料の提示がなければ見せることができないというのです。

分限帳に限らず、江戸期の古文書類を個人情報保護の名の下に拒否されたのは初めてのことです。

この分限帳には、人名と扶持高が書かれているだけですが、約200年も前のその情報を見せることにより、いったい誰の権利を侵害するというのだろうか?
そもそも分限帳など、いくらでも活字化されていますし、原本でも全国各地で閲覧してきました。図書館や資料館・大学などの研究機関では、ネット上で公開しているところも少なくありません。

そのような状況下で、なぜこの図書館の職員氏は、個人情報に拘るのか?個人情報保護の趣旨を拡大解釈し過ぎているのか、又は失礼ながらあまり難しいことをお考えではないのか?

個人情報保護の言葉が独り歩きをし、家系図の調査もやりにくくなって参りました。

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