明治の士族記録

分限帳調査の注意点①に於いて、明治維新前後の改名による分限帳調査の問題点について述べました。

この問題をクリアする有力な方法として、明治期に作成された各府県の士族記録を調べることが挙げられます。

明治4年の廃藩置県によって藩士としての安定した身分を失った士族に対し、当面の間は明治新政府が江戸期の家禄を金銭に引き直して給与を支払っていました。この支払実務のために、士族の名簿が必要となりました。給与台帳のようなものと考えれば理解しやすいか思います。

このような士族名簿は、壬申戸籍が施行された後に作成されたものですので、改名後の名前で記録されており、除籍謄本に記載された名前と一致します。分限帳のように改名で悩まされることがありません。

但し、現存しているのか、現存しているとすればどこに所蔵されているのかは、地域によって異なります。分限帳に比べて探すこと自体に苦労しますし、分限帳にように活字化されていることはまずありませんので、必ず現地まで行かなければなりません。これが頭の痛いところです。

(記:平成30年7月4日)

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