江戸時代の墓碑建立の費用
ある庄屋家文書を調べていたところ、次のような面白い文書を見つけました。
亡父石碑文化十一年四月十七日成就、石工○○村兵助、銘書室生寺隠居
銭弐百弐拾目 石工渡シ
同八匁七分五厘 銘書礼物
同廿五匁 酒取
同 取寄賄入切
(略)
此外銭九拾目子供石碑五ツ、壱ツ拾八匁宛
文化11年(1814)、亡父の墓碑の完成に伴い、その支出の明細を書いたものです。
石工に銭220目。
墓碑の銘を書いてくれた菩提寺のご隠居さんに8匁7分5厘の御礼。
墓碑建立の祝い酒と料理に各25匁ずつ。
また、同時に子供の墓碑を5基建て、1基18匁で、計90目。
計378匁7分5厘。
ちなみに、当時の米価は1俵で約50匁というところですので、墓碑建立の費用の大きさが実感されます。(まあ、庄屋家の墓碑ということもありますが)
※金銭の単位を匁と書いたり目と書いたりされていますが、匁=目です。
ただ、10匁単位でない場合はこの目の表現はしません。
たとえば、18匁を18目とは書きません。
(記:平成24年7月7日)